拙著新刊、『似ていない人たちの働きかた これからのニューロダイバーシティと石垣モデルの職場づくり 』を上梓いたしました。私にとって『〈叱る依存〉がとまらない』以来四年ぶりとなる完全書き下ろし単著です。
ここではこの本に込めたメッセージを少しご紹介させてください。
私は元々子どもたちの支援領域にいた人間なのですが、そこでしばしば耳にした言葉があります。
「ここで(理想の)支援をしても、社会に出たら甘くないのだから意味がない」
つまり、大人たちの職場が画一的なので、目の前の子どもたちにもそれを強制すべきだという発想です。私はこの発想は、支援者、教育者の怠慢を正当化するためのものだと思う一方、大人たちが働く現場もまた変わらないといけないし、変われるはずだと思うようになりました
そこで私は様々な企業さまとの対話を始め、5年前にはNeurodiversity at Workという会社を設立し、講演やコンサルティングなど企業さま向けの活動を本格化しました。
そこで感じたのは、「多数派の解体」の重要性です
私の場合、ダイバーシティ推進の担当者さま、もしくは役員の方とお話する機会が多かったのですが、そこで語られることが多いのは、どうすれば多様性という言葉を全員が「自分ごと」にできるのかという課題意識でした。
これは、ニューロダイバーシティという言葉の現状の使われ方の問題とも通じる話です。これまでビジネス領域でこの言葉は、「才能あるマイノリティの活用」という文脈に限定されて使われてきました。
つまり、「人間存在そのものが多様である」という現実から目をそらしているということです。だから私はこの課題意識を「石垣モデル」という言葉に込めました。石垣を構成する石に同じものが一つとしてないのと同じように、人間もまた一人として同じ形をしていません。
人間は思っているよりも互いに似ていない。
このことを出発点に考えると、今までとはまったく違う発想が生まれてくると思っています。単なる理念の提示に留まらず、企業を中心とした働く現場の「石垣モデルの仕組み作り」まで、自分なりに視点を整理し提案をまとめました。
執筆期間は私の本の中で最長の3年。長くかかってしまいましが、苦心の作をようやくお届けすることができます。一人でも多くの方にお読みいただければと願っております。



