こんにちは。
良書紹介、今回は自閉症スペクトラムの脳や神経由来の特性を理解する上で必ず押さえておきたいキーワード「社会脳」を分かりやすく学ぶことの出来る本たちをご紹介させて頂きます。
社会脳とは、脳の様々な機能のうち人との関わりや行動など、社会的な能力を司っていると考えられている脳のメカニズムのことです。人との関わりの中に困難が生じやすいASD(自閉症スペクトラム)を理解する上で、またより適応的な方法を考えていく上でたくさんのヒントをくれる知見だと私は思っています。
今回は社会脳を学び理解する上で読んでもらいたい、おすすめの本たちをご紹介します。
社会化した脳
まずはこれ!「社会化した脳」。
京都大学の精神医学者、村井俊哉先生が書かれたこれぞ入門書という分かりやすい本です。10年以上前に書かれた本ですので最新知見を学ぶというかんじではありませんが、社会脳を知る上で基本的なことが網羅されたとてもすぐれたガイド本となっています。
ただ、非常に残念ながら新品で売られておらず、中古のみでしか買えない状況です。こういった本はぜひ電子化して頂き、在庫切れがないようにしてほしいなあと思います。
【追記】
こんなサービスがあるのですね。みなさん復刻依頼をお願いします!
復刻された本もこちらのサイトで売られているそうなので、みなさんが読みたい本も探されるとよいかもです。
社会脳の発達
お次は「社会脳の発達」
こちらは「自閉症スペクトラムについて脳科学の視点から学ぶための良書」 でもご紹介させて頂いた、現在ロンドン大学の脳神経科学者、千住淳先生が書かれた社会脳の入門書です。
社会脳と呼ばれる脳機能やそれらが私たちの社会生活にどのように影響しているのかなど、最新の知見を引用しながら分かりやすく語りかけてくれる本です。また、自閉症スペクトラムについても社会脳の視点からかなりのページを割いて記述されており、自閉症スペクトラムを正しく理解したい人には必読書の一冊となっております。
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社会脳ネットワーク入門
最後にご紹介するのは「社会脳ネットワーク入門」
京都大学の苧阪直行先生らによる編著本です。こちらの本は社会脳の働きに関する最新の研究から社会脳をネットワークとして捉え、そのネットワークの働きに関する重要な仮説提起をされている本で、このテーマに興味のある方なら間違いなく引き込まれる刺激的な内容です。
私個人としては、ASD者の生きにくさや多数派の人との脳神経由来の文化の違いがどこから来ているのかについて、多大なヒントを与えてくれる本だと感じました。興味のある方にはぜひご一読頂きたい本です。
ただ、この本あくまで「社会脳ネットワーク」の入門書であり、社会脳そのものの入門書ではありません。そのためある程度の予備知識が必要な部分もありますので、先に上記二冊などの社会脳の入門書をお読みになられてから読まれるほうがよいかもしれません。
それではこのへんで!