【良書紹介】発達障害への見方を根本から変えてくれるインパクトのある本たち

良書紹介

こんにちは。

良書紹介、今回は発達障害への見方や捉え方を根本から揺るがしてくれるような、そんなインパクトと力のある本たちをご紹介したいと思います。

発達障害には、障害という言葉が使われていて、極端に偏った見方やあまりにも否定的な捉えられ方をされてしまうことも多いかと思います。今回ご紹介するの本たちは、そこに果敢に挑戦し見方を変えようとしているそんな本たちだと思います。

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発達障害の謎を解く

著者の鷲見先生(すみ先生と読むことをこの本の巻末を見て初めて気づきました!)は愛知県にて長らく小児医療に携わってこられ、現在は日本福祉大学の教授をしておられる医師の先生です。

この本のタイトルは「謎を解く」となっていますが、中身は「今わかっている限りの情報から、発達障害に関する様々な誤解を解く」という内容の本となっています。

キーワードをあげるだけで、
・発達障害はホントに増えている?
・増えているなら原因は?
・発達障害と遺伝の関係は?(ここかなり詳しいです)
・発達障害に影響を与える環境要因とそのメカニズムは?
・ワクチンや水銀など話題になった原因論の真偽
・セロトニンなどの神経伝達物質との関連は?

などなど、本当に多岐にわたる気になるテーマについて、丁寧に解説されておられます。

そしてそれらの考察により、発達障害と呼ばれている現象について私たちがどんなスタンス、考え方を持っておくべきなのか、熱量をもって語りかけてくれるそんな良本です。このテーマについて、一般の方でもわかりやすく読めるような本を私はほかに知りません。類書のちょっとみつからない良書かと思います。おすすめです。

ソーシャル・マジョリティ研究

2018年末発売の新しい本で、この本が出版された当時とても話題になった本ですのでご存じの方も多いかもしません。私も少し遅れて読んだのですが、読み始めて数章読み進んだところで「う~ん」と唸ってしまいました。

すごい本です。この本。

この本は、編者であられる綾屋紗月さんが発達障害の当事者側の視点から、様々な分野の専門家たちに自分の疑問をぶつけて解説してもらうという構成になっています。それらの解説がとても素晴らしい内容で、1章ごとにきっと本1冊にすることが出来るような解説だと感じました。

ただ、この本が本当にすごいのはそこではありません。この本の中には社会におけるマイノリティ側にいる人たちの「当たり前の感覚」「いつもの感じ方」「よくある視点」が溢れています。そこを出発点に議論が始まるので当然といえば当然なのですが、生活感や現実感のある形でとても生き生きと描き出されています。

この本は実はそこをフラットに描き出すために書かれた本なのではないかと私には思えました。多数派の当たり前が全く当たり前ではない世界のことを。

ソーシャルマイノリティ研究ではなく、ソーシャルマジョリティ研究とすることで、読み手が様々な知見を学びながらマイノリティの人たちをフラットに理解する。そんな試みに成功している稀有な本だと思います。この本も類書が見当たりません。

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自閉症もうひとつの見方

この本はSCERTSモデルという有名な自閉症療育モデルの創始者として有名なバリー M プリザント博士らによる本です。ただこの本は具体的な対応法や介入法などを書いた「ノウハウ本」でありません。

自閉症と呼ばれる状態像を私たちがどのように捉えるべきなのか、自閉症の当事者と関わる際に私たちが持っておくべき視点はどんなことなのか、これらを豊富な事例を用いて切々と語りかける、そんな本です。

先に紹介しました二冊は主に知的障害のないタイプの発達障害について書かれている本ですが、この本は知的障害を伴うタイプの子どもたちのことが多く書かれており、合わせて読むとより理解が深まる内容かと思います。

                                                    

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