カサンドラ症候群について⑥対義語へのご意見まとめ

発達障害よもやま雑記帳

こんにちは。

前回の記事でカサンドラ症候群には対義語が必要だという趣旨を書かせていただいたところ、ツイッターやコメントでたくさんのご意見やアイデアを頂きましたので、まとめてみました。

頂いたアイデアの中で私の一押し、これはと感じた対義語案についてもご紹介しております。

スポンサーリンク

賛否につて

やはり賛否両論のお声がありましたが、私のところに届いたお声は概ね賛意のお声が多かったです。(まあ、反対意見の方は言いにくいでしょうから当たり前といえば当たり前ですが)

ここにご紹介した以外にもたくさんのお声を頂いております。当事者性をお持ちの方から賛意を頂いていることは私としても、見当はずれな考えではなかったと少し胸を撫でおろしております。

カサンドラの対義語はカサンドラ?

そんな中で私の印象に強く残ったのは、カサンドラの対義語はカサンドラではないか、もしくは自閉スペクトラム者側こそ本来的な意味でのカサンドラな体験をしているのではないか、というご指摘です。

こちらについては、下記のNOTEをお読みいただくとよくわかるかと思います。まごっとさんありがとうございます。

カサンドラ症候群とその対義語に関する小考|まごっと
この文章は村中直人さんの「#カサンドラ症候群について⑤カサンドラには対義語が必要だと思う話」への反応(?)ですプロフィールにあるとおり私は#ASD(#アスペルガー)であり、#定型発達と思われる夫との間には(性別は逆ですが)同様の問題を抱えています。また、私はギリシャ神話が好きなので、誰か当てはまる神話上の人物がいないか...

ギリシャ神話のカサンドラはだれも自分の言葉を信じてくれないという体験をしている人なわけで、なるほど確かに自閉スペクトラム者の生きにくさと重なりあう部分がありますよね。とても重要なご指摘であると思います。

対義語のアイデア

ほかにも対義語のアイデアもたくさん頂いております。

私は善悪や被害加害といった二項対立ではなくこのような状況に陥ってしまうシステムをメタ的に理解したいと考えていますが、今発達障害の当事者の方が「自分を語る言葉がない」ということに苦しんでいること、一方的な加害者ではなく痛みを受けている当事者であることを知らしめるための啓蒙的な意味ではとても意義深いのではないかと感じました。同じく預言者である「エレミヤ症候群」とかどうですかね。

どれも対義語になりそうなアイデアですが、そんな中私が一番「これは!」と感じたアイデアがあります。それはツイッターでセザールさんに頂いたこの言葉。セザールさんグッドアイデアありがとうございます!!

「バルバロイ」や「オストラコン」、世界史の勉強をした時に確かに学んだ気がしますが、あやふやな記憶だったので調べました。例によってWikipedia張りますね。

バルバロイ - Wikipedia

バルバロスは、「聞きづらい言葉を話す者」または「訳の分からない言葉を話す者」の意で、バルカン半島東部(ギリシアの北東)のトラキア地方に住むトラキア人や、ペルシア人のことである。由来としてはギリシア人から異民族の言葉は「バルバルバル」と聞こえたからといわれている。当初は「野蛮人」という意味合いはなかったが、トラキア人は、長い間周辺の国々で奴隷としてひどい扱いを受けてきたため、徐々にこの言葉も野蛮人を指すようになった。英語の「barbarian(野蛮人)」の語源でもある。

論文PDFもありましたので張っておきます。第二章にバルバロイに関する論説が載っています。

researchmap
researchmapは、日本の研究者情報を収集・公開するとともに、研究者等による情報発信の場や研究者等の間の情報交換の場を提供することを目的として、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営するサービスです。

オストラコンについてはこちら

オストラコン - Wikipedia

アテナイでは、投票を行う市民は陶器の破片に人物の名前を書くか刻むかした。社会のあるメンバーの追放の意思決定を行う際には、市民は陶片に追放対象の名前を記すことで投票を行った。票が数えられ、ある人物に多数の票が集まるとその人物は都市から10年間の追放となり、ここから「陶片追放」(オストラキスモス)という言葉が生まれた。

私がカサンドラ症候群の対義語として有力ではないかと感じたのは特に「バルバロイ症候群」です。

世界史に詳しいわけではないので解釈が誤っているかもしれませんが、バルバロイという言葉は侮蔑や劣等生を含んだ差別用語として、古代ギリシャで使用された言葉ということのようです。同じ地域に生活し、外見上の違いがほぼない人同士で区別し、優劣をつけようとする言葉であること。また、語源として「わけのわからない言葉を話す人」というニュアンスがあるようですので、自閉スペクトラム者が非難され排除されてしまう時の悲哀や苦しみに、とても構造が似ている言葉のように思います。

また、世界史由来なので外国でも通じる言葉なのもいいですね。英語で表記するなら「barbaroi syndrome」となりますでしょうか。

みなさんはどう思われますでしょうか?

タイトルとURLをコピーしました