叱るについて⑤叱る依存からの脱出のために

心理士パパの子育て、教育、対人支援もろもろ雑記帳

こんにちは。

少し間が空きましたが、叱るについての続編を書きたいと思います。前回までは、どちらかと言うと叱る依存に陥らないための予防方法をご紹介するような文脈の記事だったかと思います。

今回は、今まさに叱る依存に陥ってしまっていて、またそこからの脱出を願っておられる方へのお手紙のような記事を書きたいと思います。非常に難易度が高く、私にとっては勇気のいる記事ですが、誰かお一人にでも叱る依存からの脱出のヒントになればと思い書きます。

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お手紙

ここから先は私からのお手紙です。

宛先は、叱るという行為にご自身が依存してしまっている、もしくは依存しかかっていると感じられている方で、そこからの脱出を強く望んでおられる方に届けばいいなと思っています。

私はあなたが置かれている状況や、具体的な出来事を何も知りません。なので本来は無責任にお手紙など書ける立場ではなく、的外れな余計なお節介かもしれません。けれども、何か少しでもお役に立てたりヒントになったりすることがあればと願いを込めて書いています。まったく見当外れな内容になってしまっているかもしれませんが、よかったら読んでもらえるとうれしいです。

「叱る依存」を叱っても解決につながらない

まず最初にお伝えしたいのは、叱るを繰り返してしまうご自身を「叱らないでください」ということです。叱ってしまう対象の人を叱っても効果が薄いのと同様に、叱る自分をどれだけ叱ってもやはり効果は薄いのだと思います。

つまり叱る依存の自分を叱っても、解決に結びつく可能性は低いです。叱る依存からの脱出はきっと、「気がついたら叱らなくなっていた」とか「そもそも叱る必要がなくなっていた」などのように、緩やかに穏やかにおとずれるものなのだと思います。

そのためには、まずはご自身のゆとりを取り戻すことが最優先なのだと思います。叱っている時、また叱るを繰り返してしまう時、多くの人は余裕をなくして少し視野が狭くなってしまっています。

「この子(人)になんとか分からせないといけない!」
「自分が教えないと誰もしてくれない!」
「このまま放置したらこの子(人)の為にならない!不幸になる!」  などなど。

けれども少し深呼吸して、自分の中にあるエネルギー残量を確認して、その上でもう一回そこに向き合うと、少し違った風景が見えてくることもあります。

まずはご自身のゆとりを最優先に、ご自身のために出来ることを考えて頂きたいと思います。

主観的な世界を想像する

そしてひと呼吸おけたら今度は、叱りたくなるその人をしっかり観察し、その人の「内側の世界」を考えたり、想像したりしてみて欲しいのです。その人にはその状況はどんな現実として映り、どう認識しているのでしょうか?どんなふうに見えて、どんなふうに聞こえて、どんなふうな気持ちになり、何を考えているのでしょうか?

世界の見え方、捉え方、感じ方自体に正解はありません。そしてそれは人によってもちろん異なっています。性格の違いとか、ちょっとした感じ方の差というレベルの話ではなく、もしかしたら脳や神経の働き方レベルで大きく違っているのかもしれません。大切なことは、互いの主観的な世界の捉え方を尊重しあうことです。それは例え相手が幼い子どもであったとしても変わらないと思います。

叱るに依存的になってしまう場合に、本当によくある状態に、「これだけやっているのに」「こんなに丁寧に伝えているのに」「何度も同じことを言っているのに」という気持ちでいっぱいになってしまうことがあります。

こういう気持ちの前提に「私なら絶対にこうならない」という認識がある場合がとても多いのです。つまり、どこかであなたにとっての「当たり前」を相手に押し付けるような構図になってしまっているのかもしれないということです。そしてそれは普遍的に本当に誰にでもよく起きる落とし穴です。

当たり前ですが人は自分の人生しか体験できません。だからどうしても他者を理解する時に「自分基準」で考えてしまう癖があるのです。いくら考えてもうまくいかない時は、この自分基準を外すことで、見え方が変わったり、新しいアイデアが生まれたりするかもしれません。

キーワードは「普通」「常識」「当たり前」です。

これらの言葉を使わずに、もう一度まっさらな目で起きている事実を眺めてみてください。

その上で、以前の記事でご説明したようにその子(人)に合った「前さばき」や「後さばき」を考えて頂ければいいなあと思います。

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専門家に頼ることも方法の一つ

いろいろと書きましたが、問題はより深刻で私がお伝えしたことくらいでは解決に近づかないかもしれません。そんな時は、思い切って専門家に頼るという方法もあります。

一人だけだとぐるぐると同じところを迷い続けてしまうような場合でも、頼りになる専門と一緒に考えたり整理したりすることで前に進んでいけることだってたくさんあると思います。

私自身が臨床心理士ですので、心理士さん推しになりますが笑。ご自身の状況や気持ちをしっかりと受け止めてくれた上で有益な助言や支援を提供出来る心理士は世の中にたくさんいるかと思います。公的な機関なら費用もかからない場合も多いです。検討の価値は十分にあるかと思いますので、その方法も考えて頂ければと思います。

叱るを正当化しない社会へ

5回に渡って叱るについて書いてきました。もしかしたらまた書きたいことが出てくるかもしれませんが、一旦はこの連続記事を終えたいと思います。

この連続記事、とてもたくさんの人に読んで頂きました。延べで言うと数万人です!色々迷いながら言葉を選んできましたが、例えお一人でも「読んで良かった」と思って頂ける内容になっていたら幸いです。

まだまだ日本社会には「叱るを正当化」する言説が溢れています。本連続記事が「叱るを正当化しない社会」に近づくためにほんの少しでも役立てばいいなあと思っております。

では!

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