【支援者向け】脳・神経/認知科学の体系的な基礎知識を学べる「教科書」たち

良書紹介

こんにちは

久しぶりの良書紹介です。今回はがっつり脳科学の専門書をご紹介します。この10年ほどで認知科学はかなり脳・神経科学と融合し、人の認知能力や対人能力に関する様々な研究成果が世に「教科書」として出版され始めています。

教科書になっているということは実はすごいことなんです。それは、研究者たちの間である程度のコンセンサスが得られた知見が体系化され始めているということを意味していますから。脳科学の知見を学ぶことは、人の情報処理や情動の仕組みを知ることに直結する知識です。それはすなわち、人間理解を深める取り組みだと私は感じています。

対人支援者も人を理解するために様々な知見を常にアップデートしないといけない、そんな時代なのだと思います。

スポンサーリンク

認知脳科学

その名の通り、認知科学と脳科学の融合した知見をコンパクトかつ体系的にまとめた教科書です。実際に某有名私立大学などで脳科学の概論を学ぶために教科書として使用されている本と聞いています。

この本で取り扱っているテーマは記憶、学習、情動、社会的認知、実行機能など、心理学、特に認知心理学と呼ばれる領域ではとても馴染みの深い言葉たちです。そしてこの本ではその一つ一つに、背景となる脳科学的な研究知見が書かれています。

正直、私はこの本を読んでちょっとショックでした。テーマとなる言葉の心理学的なモデルについては既知でも、脳・神経科学的な知見については知らなかったことが多かったからです。

心理学と脳科学はパソコンで例えるなら、ソフトウェアとハードウェアの関係にあると思います。片面からの理解だけよりも、両面から理解するほうが真に役立つ理解に繋がりやすいことは、私には自明の理のように感じられています。

その意味で、この領域の知識がここまでコンパクトかつ体系的に纏まっている教科書は私は他には知りません。(もしご存知でしたらぜひ教えてください!)

メカ屋のための脳科学入門

この本は書かれた背景がとてもユニークな本で、その結果非常に優れた教科書となっています。

この本は、東京大学工学部の学部生と大学院生に脳科学を教えるために作られた教科書なのです。

著者によると

機械系の学生に生物学や脳科学を教えるのは容易いことではない。なぜならば、機械系学科には物理好き(かつ生物嫌い)が集まっており、彼らからすれば生物は忌み嫌いべき暗記科目である

まえがきより

そうです笑

そんな物理好き機械系頭脳(しかも日本トップクラスの頭脳の持ち主)たちに、脳科学に興味を持ってもらうために筆者である高橋先生は、脳のメカニズムを機械やコンピューターのメタファーを用いながら分かりやすく伝える工夫をされています。特に、構造やメカニズムからそれらの機能や目的を推測すること(リバースエンジニアと言うそうです)の面白さから脳を語るということに重点をおいて説明されています。そのためとても分かりやすい!

対人援助職の殆どは機械系頭脳の持ち主ではないと思いますが、それでもメカニズムから機能を推測するという解説から脳について学べることはたくさんあると思います。

なおこの本非常に人気が高いそうで、続編が出ていまして現在シリーズで2冊出版されています。

日常と非日常からみる こころと脳の科学

最後にご紹介するこちらの本は、厳密に言うと知識が体系化されたいわゆる教科書ではありません。教科書の中によく書いてある「コラム」や「興味深い小話」を集めたような内容になっています。

そのため、上記2冊のような教科書を読んだ後にに読むと、より理解が深まる内容となっています。また逆にいきなり教科書読むのはちょっと気が重いなあという方は、こちらから先に読むのもありかもしれません。

内容は例えば「危険な経験をした時に、時間の流れをスローもションに感じるのはなぜか?」というような身近で興味を持ちやすい内容がたくさん取り上げられていて、とても読みやすいです。

以上、ちょっと専門的な内容ですが、わかりやすく正しい知識を学べる教科書をご紹介しました。今回ご紹介した本は一番古いものでも2016年出版と本当に最近のものばかりです。

この領域今後もどんどん新しい良書が生まれてくるかとおもいますので、また発見しましたらご紹介しますね。

今回はこのへんで!

コメント

タイトルとURLをコピーしました