女性の自閉スペクトラムについて

発達障害よもやま雑記帳

昨年末に女性の自閉スペクトラムに関する以下のツイートから始まる連続ツイートをさせて頂いたところ、とてもたくさんの反響を頂きました。あらためでここで情報をまとめるとともに、考えを深めてみたいと思います。

連続ツイートの続き

なぜ難しいか

まずそもそもこのタイプの女の子たちにASD(自閉症スペクトラム)特性があることに気づくことに高い専門性が求められます
視線が合わないとか、比喩表現が通じないとか、表面的な特徴としてのASD理解や知識しか持ち合わせていない場合、まず気づくことすら難しいと思います

ASD へのより本質的理解が必要です

そして気づいた後の対応についても、コミュニケーション技術がとても要求されます

簡単にポイントを言うと、論理と情緒の両方に相当配慮した関わりが必要で、それはとても難易度が高い
ASD由来の論理的価値観と年頃少女への情緒的繊細さを両方持ち合わせていると言えばご理解頂けるでしょうか

正直に告白すると、私自身もこのタイプの子どもたちへの対応については、本当にたくさんたくさん失敗してきました
子どもたちには申し訳ない思いでいっぱいになる経験がたくさんあります
だから最近ようやく、ASD女性たちに少しづつ注目が集まるようになったこと、とてもうれしく思っています

ひとつだけメッセージを言うとするなら
ASD女子たちを既存のジェンダーイメージに無理に当てはめようとすることは絶対に避けなければいけません
本当に高いポテンシャルを持っている子たちがたくさんいるんですが、周囲の常識の抑圧に苦しんで力が発揮出来ない事例をよく見てきました

彼女たちが生き生きと活躍出来る社会を創っていくためには
彼女たちの特性やニーズに早い段階で気づき、正しい理解の元彼女たちを導く、(彼女たちが彼女たち視点で思う)「まともな大人」との出会いが必須だと思っています

このテーマもっと関心が高まればいいなと思ってます
以上、連ツイでした!

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ツイートへの反応 (当事者性のある人たちから)

この連続ツイートに対してたくさんの反響をいただきました。
最も多かったのは「私もそうだ」「私の子どもがそうだ」「私のパートナーがそうだ」というような当事者性をもった方々からのリプライです。

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本当にたくさんいただきましたので、ここに引用させていただいたものでもほんの一部です。

しかしながら私が書かせて頂いたのは、ほんとうに単純に「こういうタイプの方がおれれます」という紹介レベルのお話でしかありません。

それでもこんなにたくさんの方にリプライ頂き、そして「救われた」や「うれしかった」とまで言って頂けることは、逆に言うといかに今まで光が当たってこなかったのか、見過ごされてきたのかを物語っているように強く感じます。

少しだけ私なりの考えを書きたいと思います。

なぜ女性の自閉スペクトラムは気づかれにくいのか?

まあ、簡単に言うとそもそも自閉症の特徴や症状と呼ばれる記述が男性ベースであることの影響は大きいように思います。つまり、同じ自閉スペクトラム者としての脳や神経の特徴を持っていても、表面上の特徴には性差がある可能性があまり考慮されていないということです。

例えば、ツイートでも書きましたが「視線の合いにくさ」というよく知られたASD者の特徴は、知的能力の遅れがない女性にはあまり見られないように思います。(あくまで経験則のお話ですが)

自閉症=視線の合わない人、というような表面上の特徴の一致だけを見ていても分からないわけです。

ではどこを見ればいいんだ、というとそれはやはり目に見えない「自閉スペクトラム者特有のものの見方や感じ方」に目を向けないといけないのだと思います。目を向けると言ってもまあ見えはしないですけどね笑

自閉スペクトラム者のものの見方や感じ方の特性の中身についてはまた機会があれば書こうかと思いますが、私はそれを「脳、神経由来の文化」なのだと思っています。

あ!もし読者の方が支援職か教育関係者でその点に興味を持って頂けますのなら、発達障害サポーター’sスクールを覗いてみてください。発達障害基礎理解講座Ⅱでこの点取り扱っております。

女性自閉スペクトラム者については、実はここからセクシャリティのあり方にも話が展開するのですが、長くなりましたが別の機会に書こうかなと思います。

つづきはこちら

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